ロシア移動通信2位のメガフォンが、ロンドンとモスクワの証券取引所における新規株式公開(IPO)に向けて、正式に準備を開始した。早ければ来月にも上場する。欧州経済危機による市場の混乱で投資の機会が少なかったこともあり、ロシア株をめぐる状況は良好とみられている。これから年末までにIPOを計画する企業は他にもあり、メガフォンのケースはロシア株の人気を占うものとして注目を集めそうだ。
\メガフォンはロシア金融規制当局に対し、20%の株式を公開する許可を申請した。その時価は最大40億米ドルと推定されている。グローバル預託証券(GDP)の形で公開する計画だ。ただ、市場の動向次第では公開を見送る可能性もあるという。
\メガフォンは富豪のアリシェル・ウスマノフ氏の傘下にあり、スウェーデンのテリアソネラも出資している。すでにLTE規格による高速データ通信サービスを提供する。第4世代通信規格の事業免許を取得する4社のうちの1社だ。
\また、小売部門の強化を狙い、携帯電話小売業ユーロセット(Evroset)の株式買収に向けて交渉している。2011年の売上高は2,422億ルーブル、純利益は430億ルーブルだった。
\IPOの幹事はゴールドマン・サックスとモーガン・スタンレーが担当するもようだ。
\なお、ロシア最大手銀行のズベルバンクも、延期中の7.6%の株式売却を検討中とみられている。その時価は推定50億ドル。
\また、中堅銀行のプロムスヴャジバンクも金融監督当局に最大25%をロンドンで公開する許可を申請中だ。アナリストはその時価を10億ドルと見積もっている。
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