2012/11/21

総合・マクロ

スロベニア、バッド・バンク設立にブレーキも

この記事の要約

財政難に陥っているスロベニアで、改革の柱と位置づけられるバッド・バンクの設立に影がさしている。グレゴル・ヴィラント下院議長はバッド・バンク設立の是非を問う国民投票の実施に向けた署名手続きを承認。4万人の署名が集まれば、来 […]

財政難に陥っているスロベニアで、改革の柱と位置づけられるバッド・バンクの設立に影がさしている。グレゴル・ヴィラント下院議長はバッド・バンク設立の是非を問う国民投票の実施に向けた署名手続きを承認。4万人の署名が集まれば、来年1月にも国民投票が実施される見通しとなった。

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スロベニアは財政改善に向けた社会改革が政党間の対立で一向に進まず、欧州連合(EU)に金融支援を要請するのではとの懸念が高まっている。今年9月以降に主要格付け会社は軒並みスロベニアの信用格付けを引き下げた。

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先月3日にようやく、国営の大手銀行が抱える巨額の不良債権処理を目的としたバッド・バンク設立法案が議会を通過したが、30日に野党が国民投票実施の動議を提出。今月19日から35日間の署名期間を設けることとなった。

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また、国家資産の売却推進に向けた持ち株会社の設立でも国民投票が行われる可能性がある。

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スロベニアの改革遅延の一因は、国民投票が比較的簡単に実施できることにあると言われ、ようやく前進すると思われた改革にストップがかかる懸念が出てきた。

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■大統領選、前首相がリード

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11日の大統領選挙では大方の予想に反して社会民主党のボルト・パホル前首相が40%の最多得票となり、来月2日にダニロ・テュルク現大統領(36%)との間で決選投票が行われることとなった。

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スロベニアの大統領は象徴・儀礼的役割を担うだけだが、経済危機が深刻化する中、その政治的意味は大きい。(東欧経済ニュース10月10日号「スロベニア議会、「バッドバンク」法案を可決」を参照)

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