2014/3/19

ロシア

RWE、エネルギー開発子会社を露富豪に売却

この記事の要約

独エネルギー大手のRWE(エッセン)は16日、石油・天然ガス採掘子会社RWE Deaをルクセンブルクの投資会社Letter Oneグループに売却することで合意したと発表した。Letter Oneはロシアの新興事業家である […]

独エネルギー大手のRWE(エッセン)は16日、石油・天然ガス採掘子会社RWE Deaをルクセンブルクの投資会社Letter Oneグループに売却することで合意したと発表した。Letter Oneはロシアの新興事業家であるミハイル・フリードマン氏の投資会社。同日はクリミアでロシア併合に向けた住民投票が行われており、タイミングの悪い発表となった。取引条件の詳細は今後、詰めていく。

RWE Deaはドイツの北海海域や英国、デンマーク、ノルウェー、エジプトなど世界14カ国で採掘を行っている。売上高は18億ユーロと資源採掘会社としては小さいものの、収益力は高く、使用資本利益率(ROCE)は15.7%に上る。

RWEは債務の圧縮に向けて同子会社を売却する意向を昨年3月に表明した。巨額の売却益が見込めるほか、同子会社がエジプトで巨額投資を行うことを計画しているためだ。投資はリスクを伴い回収にも時間がかかるという事情がある。

Letter OneはRWE Deaを約6億ユーロの債務引き受けも含めておよそ51億ユーロで買収する。RWEが実施した競売入札には独競合Wintershallも参加したものの、消息筋によると、買収提示額は40億ユーロに満たなかったという。

フリードマン氏はロシアの新興財閥Alfaグループを率いる富豪。同グループは銀行、石油・ガス、保険、小売、電気通信など幅広い分野で事業を展開している。