2014/10/8

ロシア

ルーブルの下落止まらず、対ドル最安値を更新

この記事の要約

ロシア通貨ルーブルの下落が止まらない。対米ドル為替相場は6日、一時1ドル=40.05ルーブルとなり、史上最安値を更新した。心理的に重要とされる40ルーブルのラインを超えたことで、アナリストらは、貯金を外貨に換える動きが広 […]

ロシア通貨ルーブルの下落が止まらない。対米ドル為替相場は6日、一時1ドル=40.05ルーブルとなり、史上最安値を更新した。心理的に重要とされる40ルーブルのラインを超えたことで、アナリストらは、貯金を外貨に換える動きが広まってロシアの銀行システムが弱体化する可能性を指摘している。

ルーブル安の原因としては◇ウクライナ紛争に関連する対ロ制裁◇景気減速◇原油価格低下――が挙げられる。輸入品の価格上昇に欧州産食品の禁輸措置が加わり、9月のインフレ率は8%と過去3年で最悪の水準に上昇している。

ルーブルの対ドル相場は長年、1ドル=30ルーブル前後で推移していた。しかし、昨年初めから低落が続き、最近では下落が加速している。

対ロシア制裁の一環で欧米での資金調達を禁じられたロシア企業が抱えるドル建て債務のうち、3カ月以内に償還期限を迎えるものが547億ドルに上り、ロシアのドル需要は拡大している。中央銀行はルーブルを支えるため、3日と6日に合わせて16億8,000万ドル以上の市場介入を実施した。

ロシアの外貨準備高は9月末現在4,542億4,000万ドルで、1年前に比べて15%減少した。