2015/1/21

ロシア

財務省が外貨準備取り崩し、2カ月で5千億ルーブル相当

この記事の要約

ロシアのシルアノフ財務相は14日、通貨ルーブル暴落に歯止めをかけるため、同省の外貨準備を取り崩し、ルーブル買いに充てていることを明らかにした。欧米からの経済制裁に加え原油価格が1バレルあたり50米ドルを割り込み、ルーブル […]

ロシアのシルアノフ財務相は14日、通貨ルーブル暴落に歯止めをかけるため、同省の外貨準備を取り崩し、ルーブル買いに充てていることを明らかにした。欧米からの経済制裁に加え原油価格が1バレルあたり50米ドルを割り込み、ルーブル下落に拍車がかかったためだ。ルーブルは昨年12月16日に一時1米ドル=80.10ルーブルの史上最安値をつけた。

現在、ロシアの外貨準備高は880億米ドルに上る。モイセーエフ財務次官によると、今月と2月で財務省が管轄する政府系ファンドのひとつの外貨資産を取り崩し、中央銀行を通して5,000億ルーブル相当のルーブル買いを行う計画だ。調達したルーブルは国内の資金流通を改善し景気を刺激するため、銀行業界に供給する。

ロシアは債務不履行(デフォルト)に陥った1998年以降で最悪の金融危機に陥っている。昨年12月半ばには中央銀行がルーブル急落を受けて主要政策金利である7日物レポ金利を10.5%から17%へ大幅に引き上げたほか、政府が金融システムの悪化を防ぐため銀行業界への最大1兆ルーブルの資金注入を決めるなど、危機的状況の改善策を相次いで打ち出している。(1RUB=1.80JPY)