2015/3/4

コーヒーブレイク

替え歌転載で起訴~トルコ

この記事の要約

言論の取り締まりに熱心なトルコのエルドアン大統領だが、狙いはジャーナリストに限らない。今回の犠牲者は2006年のミス・トルコで、工業デザイナーのメルヴェ・ビュユクサラシュさん(26、写真)。昨年8月に、画像共有アプリ「イ […]

言論の取り締まりに熱心なトルコのエルドアン大統領だが、狙いはジャーナリストに限らない。今回の犠牲者は2006年のミス・トルコで、工業デザイナーのメルヴェ・ビュユクサラシュさん(26、写真)。昨年8月に、画像共有アプリ「インスタグラム」に大統領を「侮辱する」詩を転載したことが問題となっている。

問題の詩はトルコ国歌の替え歌「マイスターの歌」で、2013年12月に明らかになった政府高官および大統領の息子などに対する汚職疑惑を題材としている。

ビュユクサラシュさんは「面白いと思って載せたけれど、友人に『厄介なことになるかもしれない』と言われて消去した。大統領を侮辱するつもりはなかった」と話している。

しかし、検察担当者は「表現の自由の範囲を超えている」として起訴手続きを行った。裁判所がこれを承認し、有罪判決が出れば、ビュユクサラシュさんに1~2年の懲役刑が科される見通しだ。

ウィーンに本部を置く国際新聞編集者協会(IPI)によると、昨年8月の大統領就任以来、大統領がらみの「侮辱罪」で告発された人が60人以上に上る。対象には、ジャーナリストはもちろん、学生や生徒も含まれている。IPIトルコ部会は2月27日の総会で、言論の自由の制限に反対するキャンペーンの実施を決め、政府の動きに対抗していく構えだ。