トルコ・ストリーム経由の天然ガス輸入、21年中に開始=ハンガリー外相

天然ガス世界最大手のロシア国営ガスプロムが、2021年後半にも新パイプラインのトルコ・ストリームを通じてハンガリーに天然ガスの供給を始める見通しだ。ハンガリーのシーヤールト外務貿易相が21日、ロシアのテレビ局「ロシア24」に明らかにした。

トルコ・ストリームは、ロシアから黒海を経由して欧州側のトルコに達する930キロメートルの海底部分と、上陸地点から近隣諸国の国境までを結ぶ180キロメートルの陸上部分から成る。輸送能力157億5,000万立方メートルのパイプライン2本を敷設し、1本目をトルコ国内需要向け、2本目を南欧・南東欧向けのガス輸送に使う。来年末の稼働が予定されている。ガスプロムは供給先としてギリシャ、イタリア、ブルガリア、セルビア、ハンガリーを射程に入れる。

一方、ロシアが絡むもう一つのプロジェクトであるパクシュ原子力発電所拡張について、シーヤールト外相は計画通り推進する立場を確認した。「欧州連合(EU)の承認がようやく下りた。計画が遅延しているのは確かだが、それはその分稼働が遅れるというだけのことだ」と話し、すでに関連インフラの工事に取り掛かっている事実を明らかにした。

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