ロシアのプーチン大統領は2日、国産の新型コロナウイルス用ワクチン「スプートニクV」の大規模な接種を12月第2週にも開始するため、関係当局に準備を指示したことを明らかにした。まず200万回分(100万人分)を用意し、医療従事者と教師を優先接種対象者とした任意での接種を実施する。政府によると来年春にはワクチン製造規模が1カ月あたり1,500万本となる見込みだ。
新型コロナワクチン開発が国際競争の観を呈する中、ロシアは8月、世界に先駆けて「スプートニクV」を認可した。ただ、数万人規模で実施する最終治験の終了を待たずワクチンを認可したため、製品の効果と安全性への信頼性を疑問視する向きが多い。ムラシュコ保健相によると、これまでに接種を受けた人は10万人にとどまっている。
ワクチンの開発元である国立ガマレヤ研究所とロシア直接投資基金(RDIF)によると、「スプートニクV」の有効性は最大95%で、大きな副作用はない。摂氏2~8度で保存できるため、遠隔地や熱帯地域にも供給しやすいという。輸出価格は1本あたり10ドル未満を想定し、来年10億本(5億人分)を供給する計画だ。