ポーランドの石油化学・電力大手PKNオルレンは16日、ロシア石油大手の国営ロスネフチと新たに2年間の原油調達契約を交わしたと発表した。年間調達量は360万トンで、今年1月末に満了した前契約の540~660万トンから大幅減となる。これは調達先の多角化によりリスクを分散する戦略に沿ったもので、国内外の精製所への供給には影響しないとしている。
PKNオルレンは現在、サウジアラビアおよびロシアとの長期調達契約に加え、北海、アンゴラ、ナイジェリア産の原油を当用買い(スポット)契約で調達している。今月初めには、同社として初の米国産原油の長期調達契約をエクソンモービルと交わした。1年契約で約100万トンを調達し、国内やチェコ、リトアニアの精製所に供給する。
一方、昨年秋に発表した新事業戦略では、2050年までに二酸化炭素(CO2)排出ゼロの達成を目標に掲げ、精製・石化事業による排出量を現状から20%削減する計画だ。精製・石化事業では新技術の導入などによるエネルギー効率向上に加え、バイオ燃料事業の増強を課題としている。