●新工場は独自技術「サンリキッド」を導入した初の量産施設
●麦わらなど最大25万トンから年5万トンのバイオ燃料を生産
スイスの特殊化学大手クラリアントは14日、ルーマニアに新設したセルロース系エタノール工場でバイオエタノールの生産を開始したと発表した。同工場は農業廃棄物からバイオ燃料を製造する独自技術「サンリキッド(Sunliquid)」を導入した初の量産施設。投資額は1億4,000万ユーロで、欧州連合(EU)から4,000万ユーロの助成を受けた。同社は英石油大手シェルとの間で二酸化炭素(CO2)排出量を抑えたバイオ燃料の供給契約を結んでいる。
新工場の立地は同国南部クラヨバ近郊のポダリ区。現地で収穫される麦わらなどを最大25万トン処理し、年間5万トンのバイオエタノールを生産する。原料は現地の300以上の農家から調達する。
クラリアントは1995年にスイスの後発医薬品大手サンドのスピンオフ企業として設立された。バーゼル近郊に本拠を置き、世界全体で約1万3,000人を雇用している。