●必要とする企業への供給やドンバス地方のインフラ復興に充当
●鉄鋼メーカーへの金融支援も検討
ロシア政府は欧米による経済制裁の影響を受ける国内の鉄鋼メーカーを支援するため、政府による金属の備蓄を検討している。マントゥーロフ産業貿易相が1日明らかにしたもので、備蓄された金属を商品市場での価格高騰に苦しむ企業に供給したり、ウクライナ東部のドンバス地方におけるインフラ復興に充てる計画だ。金属の購入量は明らかにされていない。
プーチン大統領は4月、金属関連産業は経済制裁に対抗するための構造改革が必要だとの見方を示していた。同大統領は同時に、国内需要を満たすため製品の輸出を制限しているとも述べている。ロイター通信によると、マントゥーロフ産業貿易相はプーチン大統領に対し、今年4-6月期の同国の金属製品の輸出が前年同期比で20%減少したと報告した他、輸出価格が低迷する一方で通貨ルーブルが高値で安定しているため、鉄鋼メーカーはマージンの低下に苦しんでいると述べた。政府は鉄鋼メーカーへの金融支援を検討している。
英国政府は5月、ロシア鉄鋼大手のエブラズを制裁の対象に加えた。同社は国内の鉄道用レールの97%、車輪の28%を生産している。