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2010/1/6

経済産業情報

独製薬大手3社、特許切れ問題の影響は小

この記事の要約

世界の新薬業界の最大の懸念材料となっている特許切れ問題を、ドイツの製薬大手3社は比較的しのぎやすい状況にあるようだ。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が12月31日付で報じた。\ 米医薬品市場調査大手IMSヘルスによる […]

世界の新薬業界の最大の懸念材料となっている特許切れ問題を、ドイツの製薬大手3社は比較的しのぎやすい状況にあるようだ。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が12月31日付で報じた。

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米医薬品市場調査大手IMSヘルスによると、新薬の売上高世界ランキング上位20製品のうち12製品は2012年までに特許が切れ、後発医薬品(ジェネリック)の激しい追い上げを受ける見通しだ。特許薬は大手新薬メーカーの売り上げと利益の源泉であり、現状では米ファイザー、ブリストル・マイヤーズスクイブ、イーライリリーの3社は売り上げが3分の1以上、減少する恐れがあるという。

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こうした状況を背景にファイザーは2009年、競合の米ワイスを680億ドルで買収。米メルクも米シェリング・プラウを411億ドルで傘下に収めた。スイスのロシュは米バイオ製薬子会社ジェネンテックへの出資比率を56%から100%に引き上げている。

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世界的に見ると事業規模が小さいドイツの製薬大手がこうした動きに一線を画せるのは特許切れの深刻な問題が当面、起こらないためだ。バイエルで重要特許が切れるのは2013年以降。2010年に主要医薬品2つで特許が切れるベーリンガー・インゲルハイムは新たな特許薬の投入で事業成長を保つ体制を整えている。独メルクは現在、臨床試験の最終段階(フェーズ3)にある新薬を計10種類持つ。

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