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2010/1/6

経済産業情報

新型銀行カードが使用不能に、原因はソフトウエアの不具合

この記事の要約

最新型の銀行カードを利用できないケースが年明け後にドイツで多発した。問題が起きたのはEMV規格のICチップを組み込んだ銀行カードとクレジットカードで、現金の引き下ろしや小売店などでの支払いが拒否された。該当する銀行ではソ […]

最新型の銀行カードを利用できないケースが年明け後にドイツで多発した。問題が起きたのはEMV規格のICチップを組み込んだ銀行カードとクレジットカードで、現金の引き下ろしや小売店などでの支払いが拒否された。該当する銀行ではソフトウエアのプログラムを修正、顧客データをEMVチップでなく磁気ストライプで読み取る方式に切り替えている。国内の現金自動引き下ろし機では再び利用できるようになったが、小売店や国外では依然として支障があるという。

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問題が最初に起きたのはポストバンクで、1月最初の週末に現金が引き下ろせないなどのトラブルが相次いだ。4日までにコメルツ銀行、貯蓄銀行、信用組合にも広がった。ドイツ銀行ではEMV規格のカード利用で支障が起きていないという。EMVカードは以前から使われているが、昨年まではこの手の問題が発生していなかった。

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原因はチップに組み込まれたソフトウエアの欠陥。2010年になると作動しなくなる問題が一部の製品に潜んでいたという(2010年問題)。貯蓄銀行と州立銀行では発行したECカード(銀行カード)計4,500万のうち約2,000万枚が該当する。

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銀行がカードの交換に踏み切るかどうかは未定。ドイツの金融業界団体が加盟する金融中央委員会(ZKA)は「次の措置を取る場合は、各銀行が適切な時期に顧客に通知する」との見解を表明するにとどめている。

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EMVはセキュリティ面で問題のある磁気ストライプ式に代わる技術で、違法コピーや偽造、データの不正読み取りを防止する効果がある。

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