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2010/1/6

経済産業情報

海運不況の影響深刻

この記事の要約

ドイツの海運・造船業界が世界的な不況の直撃を受けている。海運最大手の ハパックロイドは2009年夏、出資者と政府の資金援助を受け経営破たんをかろうじて回避。造船業界ではこの1年間で37社中6社が倒産した。『フランクフルタ […]

ドイツの海運・造船業界が世界的な不況の直撃を受けている。海運最大手の ハパックロイドは2009年夏、出資者と政府の資金援助を受け経営破たんをかろうじて回避。造船業界ではこの1年間で37社中6社が倒産した。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が2日付で報じた。

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独海運事業者連盟(VDR)のミヒャエル・ベーレント会長によると、定期貨物船業界では需要が20%減少した企業が多く、不定期貨物船では最大で同80%も落ち込んだ。12月の運賃は前年同月を約50%も下回っており、業界各社は経営状況が悪化。銀行融資の確保が以前より難しくなっている。

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海運会社の資金繰りが悪化したことで、造船会社は受注が激減したほか、建造した船舶の売掛金回収も困難になっている。労働経済研究所(ブレーメン)の調査によると、造船業界の就労者数はこの1年間で15%減り1万7,500人にまで落ち込んだ。企業倒産により、技術的なノウハウも失われ始めているという。

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