独建設業全国連盟(HDB)のボートナー会長は7日、業界の2009年通期売上高が推定で前年比4%減の822億ユーロに後退したとの見方を明らかにした。景気悪化の影響で、これまでけん引役だった商工業建築部門の需要が急減したことや、住宅着工件数の減少が続いたことが響いた。公共建設部門は政府景気対策の効果で成長を確保したものの、同部門が建設市場に占める割合は約3分の1過ぎず、他部門の落ち込みを相殺しきれなかった。
\同会長によると、商工業建築部門の09年売上高は前年比10%減と大きく落ち込んだ。2010年もオフィスや工場の設置需要増は見込めず、同12%の縮小する。
\住宅部門業界の09年売上高は5.5%減少した。国内の住宅着工件数が06年から減少を続けていることが大きい。ただ、市場に底打ち感が広がっているため、10年は1%増となり5年ぶりに好転する見通し。また、ドイツ復興金融公庫(KfW)が住宅のエネルギー効率改善に向けて行っている低利融資の効果で建て替え需要が高まっていることも追い風となるという。
\公共施設部門は政府・自治体の景気刺激策の効果で、業界の中では唯一プラス成長を確保。09年は売り上げが5%拡大した。10年も8%の成長が見込まれる。
\ただ、雇用を守るという景気刺激策の趣旨から、業務を受注するのはリフォームや改修、配管、塗装など人手のかかる作業を手がける地元の中小企業に偏っているというのがHDBの見方だ。建設大手Bilfingerの社長でもあるHDBのボートナー会長は「大手建設会社は政府の政策の恩恵をほとんど受けていない」と強く批判したうえで、大手、中小企業がバランスよく事業を受注することが重要だとして入札基準の見直しを求めた。
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