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2010/1/20

経済産業情報

照明用OLED開発でBASFなどが提携

この記事の要約

次世代照明として有力な有機発光ダイオード(OLED)の実用化に向けた技術開発プロジェクト「TOPAS2012」がスタートした。プロジェクトを進めるのは化学大手BASF、発光ダイオードメーカーOsram Opto Semi […]

次世代照明として有力な有機発光ダイオード(OLED)の実用化に向けた技術開発プロジェクト「TOPAS2012」がスタートした。プロジェクトを進めるのは化学大手BASF、発光ダイオードメーカーOsram Opto Semiconductorsなど4社からなるコンソーシアムで、それぞれが持つ技術を持ち寄り、優れた発光素材やデバイス構造、新たな製造装置の開発などに重点的に取り組んでいく。

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「TOPAS2012」は連邦教育研究省(BMBF)の支援を受けて2006年に発足した「OLED2015」イニシアチブの取り組みの1つ。BMBFからの助成通知が11日に届いたことで正式に始動した。

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プロジェクトを主導するBASFは寿命数千時間の照明用OLEDの開発に成功しており、今回のプロジェクトでは同1万時間を目標に掲げる。また、演色性の改善にも取り組む。演色性は物体を照らした時に、その物体の色の見え方に及ぼす光源の性質で、生活照明としては演色指数(CRI。100が最高)80以上でおおむね実用に耐える水準とされる。BASFの担当者は、同社がこれまでに開発した発光素子の組み合わせを最適化すればCRI値90も達成できると意欲を見せる。

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プロジェクト参加企業のうちOsramはOLED照明の大型化、透明化に焦点を当てて研究を進める。蘭電機大手フィリップスは高輝度化に取り組み、光束1000ルーメンの達成を目指す。また、半導体製造装置メーカーAixtronは同社が開発した有機気相成長技術を生かし、より効率の高いOLED薄膜を生成できる製造装置を実現する。

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