ドイツのボート・ヨット業界が世界的な不況の直撃を受けている。独ウォータースポーツ産業連盟(BVWW)は14日、欧州市場の2009年のボート・ヨット売上高が推定30億ユーロにとどまり、前年(80億ユーロ)の約3分の1の水準にまで落ち込んだとの見方を示した。サーフィン、ダイビングなどのウォータースポーツ関連製品・サービスまで含めた全体の売上高は26%減の185億ユーロに縮小している。独市場ではボート・ヨット売上高が約25%減、ウォータースポーツ全体が同11%減と、欧州平均に比べ減少幅は小さかったという。
\BVWWのユルゲン・トラハト事務局長によると、特に高級ヨットで需要の落ち込みが目立つ。「大型(高級)になるほど販売が厳しい」ことから、ドイツのメーカーは艇長5.5~8.5メートル、価格帯1万5,000ユーロ前後の小型船舶に生産の重点を移しているという。
\ボート・ヨットに関心を持つ人が減っていることも市場の低迷に追い打ちをかける。トラハト事務局長は「1970~80年代には年齢層にもよるが消費者の最大3%がボート購入に関心があった。それが今では1.5%程度に減っている」と指摘。ヨット人口減少と高齢化が避けられない問題になっていると語った。
\同事務局長は景気がすでに底を打ったと述べながらも、「本格回復の兆しはまだ見えていない」として今年も苦境が続くとの見方を示した。
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