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2010/1/27

総合 - ドイツ経済ニュース

ソーラー電力助成金、環境相が削減幅15%を提案

この記事の要約

ノルベルト・レットゲン連邦環境相(キリスト教民主同盟/CDU)は20日、再生可能エネルギー法(EEG)に定めるソーラー電力の助成額を7月までに15%削減することを提案した。電力会社によるソーラー電力の買い取り価格は現行の […]

ノルベルト・レットゲン連邦環境相(キリスト教民主同盟/CDU)は20日、再生可能エネルギー法(EEG)に定めるソーラー電力の助成額を7月までに15%削減することを提案した。電力会社によるソーラー電力の買い取り価格は現行のEEG規定により1月から9%削減され、100キロワット以下のソーラー設備で1キロワット時(kWh)当たり43セントから39セントに低下したばかり。今回の提案通りさらに15%引き下げられると33セントへと下落する。

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環境相は15%の助成削減を屋根用ソーラー設備に4月から、地上設置型のソーラー施設には7月から適用する考え。農地にソーラー施設を新設した場合は削減幅を25%とするとしている。一方で、自家発電向けの助成額については現行の1kWh当たり3.5セントから5セントに引き上げる意向だ。

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電力会社が買い取る電力の来年以降の助成削減幅については、年間の新規設置容量が計3,500メガワット(MW)を超えた場合は2.5%とし、それ以上増加した場合は1,000MW増えるごとに2.5%を上乗せしていく。同案は今後、閣議と連立与党内で検討される。

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大幅な助成削減の背景には、消費者の助成負担が増大していることがある。割高なソーラー電力の買い取りを義務付けられた電力会社は、そのコストを電力料金に転嫁しており、消費者の負担額は今年だけで30億ユーロに上ると見込まれる。レットゲン連邦環境相は助成削減で、消費者の負担を毎年約10億ユーロ減らし、570億ユーロと予想される2020年までの累積負担を460億ユーロに抑えたい考えだ。一方で、消費電力に占めるソーラー電力の割合を2020年までに現在の1%から5%に引き上げる目標も掲げた。

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業界団体の独ソーラー業界連盟(BSW)は削減幅が大きすぎるとして今回の提案に反発。ソーラーワールドなどソーラー発電設備メーカーも「業界企業の倒産が相次ぎ、失業者が増大する」と警告した。

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