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2010/1/27

経済産業情報

メタンからエチレン生産、独米研究者が新触媒発見

この記事の要約

メタン(CH4)を原料にエチレン(C2H4)を直接合成する新たな触媒を、ウルム大学のトールステン・ベルンハルト教授を中心とする独米研究チームが発見した。金イオン(Au2+)を用いるもので、低温・低圧の環境下で反応するとい […]

メタン(CH4)を原料にエチレン(C2H4)を直接合成する新たな触媒を、ウルム大学のトールステン・ベルンハルト教授を中心とする独米研究チームが発見した。金イオン(Au2+)を用いるもので、低温・低圧の環境下で反応するという。

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エチレンはポリエチレンなど様々な化合物の原料として用いられている。工業的にはナフサを水蒸気と混合し高温で熱分解して生産する方法が主流だが、石油資源の枯渇問題が取りざたされるなかで、メタンを石油に代わる原料として利用することへの関心が高まっている。

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メタンを1段階でエチレンに変換する技術として研究が進んでいるのは脱水素カップリング反応と呼ばれる反応(2CH4→C2H4+H2)で、すでに数種類の触媒が見つかっている。しかし、◇触媒の脱水素活性が強すぎて過剰な脱水素反応が起きてしまう◇高温・高圧下でしか反応が起こらない――などの問題があるため、量産を可能にする効率のよい触媒の開発が世界的に進められている。

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ウルム大学のベルンハルト教授と米ジョージア工科大学のランドマン教授を中心とする研究チームは、メタンからのエチレン合成で分子レベルでの反応過程を解明するため、触媒作用を持つさまざまな金属クラスターを作成し実験を行った。そのなかで、金の二量体イオンにメタンの脱水素カップリング反応を促進する作用があることを発見したという。同研究の成果は『Angewandte Chemie』(第122巻5号)に掲載された。

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