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2010/1/27

経済産業情報

独機械業界が模造品防止の取り組み強化

この記事の要約

独機械工業連盟(VDMA)はこのほど、機械の模造品防止に向けた取り組みを支援する作業部会「AG Protect」を設置、活動を開始した。電子タグ(RFID)や製品認証ラベルなどの偽造防止技術を手がける企業と機械メーカーの […]

独機械工業連盟(VDMA)はこのほど、機械の模造品防止に向けた取り組みを支援する作業部会「AG Protect」を設置、活動を開始した。電子タグ(RFID)や製品認証ラベルなどの偽造防止技術を手がける企業と機械メーカーの意見・情報交換の場を設けることで、機械メーカーのブランド保護意識を向上させる狙いだ。経済協力開発機構(OECD)が昨年11月に発表した模造・偽造品統計によると、2007年の模造品の取引は世界貿易の1.95%を占め、取引額は2,500億ドルに上った。

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知的財産権を侵害する模造品・海賊商品による被害は正規品の販売を阻害するといった経済的損害にとどまらない。その多くは品質が劣るため、◇正規品のブランドイメージを傷つけ、企業への信頼感を低下させる◇消費者の健康や安全が脅かされる――などのリスクもある。

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模造品で被害を受けるドイツ企業は増えている。VDMAが実施した会員アンケートによると、自社製品を不当にコピーされたことが「ある」と回答した企業の割合は2004年の4割から08年には約7割に増えた。

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VDMAが製品認証などの偽造防止技術に関心を持つのは、高い技術力によって製品を模造できないようにする戦略には限界があるためだ。VDMAの関係者は『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に対し、「技術の進歩は加速し続けている。最先端の製品を出しても、価格・性能の上ですぐに競合に追いつかれる」と指摘したうえで、ソフトウエアのライセンス認証のように真正品かコピー品かを見定める技術の導入が機械業界でも不可欠になっているとの見解を示した。

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模造品の流通を防ぐには、事業を展開する地域で独自の販売網を構築し、正規の販売店以外には製品・修理部品を卸さないなどの対策も有効だ。ただ、これにはコストがかかるため、資金力のある大手でないと実施できない。VDMAの担当者は地元業者との販売提携に軸足を置く中小メーカーに対し、「提携業者が正規品と一緒に模造品を混ぜて売っていないか定期的にチェックするよう」薦めている。

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