欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2010/1/27

経済産業情報

無料ナビソフトをノキアが提供へ

この記事の要約

携帯電話機世界最大手のノキアは21日、これまで有償で提供していた同社のモバイル端末向け自動車・歩行者ナビゲーションソフト「Ovi Maps」を無料で開放した。Ovi Mapsはナビゲーション専用機と同じように地図データを […]

携帯電話機世界最大手のノキアは21日、これまで有償で提供していた同社のモバイル端末向け自動車・歩行者ナビゲーションソフト「Ovi Maps」を無料で開放した。Ovi Mapsはナビゲーション専用機と同じように地図データを端末に内蔵して使うオンボード型で、74カ国、46言語に対応している。昨秋に無料カーナビソフトの提供を開始した米グーグルに対抗するとともに、既存のナビ専用機メーカーを追撃する狙いだ。

\

ノキアは2007年、デジタル地図情報大手の米Navteqを総額51億ユーロで買収した。地図データなど携帯ナビ関連製品・サービスを拡充することで新たな収益源を確保する狙いだったが、昨年秋にグーグルが「Android」を基本ソフト(OS)に搭載するスマートフォン向けに無料のカーナビソフト「Google Maps Navigation」を投入したことで市場の風向きは一変。有料のナビサービスで収益を上げるというビジネスモデルは方向転換を余儀なくされた。

\

ノキアは今後、高性能・高品質の端末の売り上げによって収益を確保したい考えだ。同社の広報担当者は「端末の価格を引き上げるのではなく、発売から時間がたっても大きく値下がりしないような価値の高い製品を市場投入する」と述べ、意気込みを見せた。

\

ただ、課題は残る。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙によると、ノキア端末で多く採用されているスマートフォンプラットフォーム「S60」を時代遅れと感じるプログラマーは少なくなく、多くのプログラマーが過去数年間でアップルの「iPhone」やAndroid向けアプリの開発に転向したという。ノキアの新戦略の成功は優秀なプログラマーを確保できるかにかかっているようだ。

\