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2010/2/10

総合 - ドイツ経済ニュース

09年企業倒産16%増に、上げ幅は西欧平均下回る

この記事の要約

信用調査機関のクレジットリフォームが3日発表した欧州倒産レポートによると、2009年の独企業倒産件数は3万4,300件で、前年から16.0%増加した。戦後最悪の不況の影響で増加率は08年の同1.5%から大幅に膨らんだもの […]

信用調査機関のクレジットリフォームが3日発表した欧州倒産レポートによると、2009年の独企業倒産件数は3万4,300件で、前年から16.0%増加した。戦後最悪の不況の影響で増加率は08年の同1.5%から大幅に膨らんだものの、西欧17カ国(EU加盟15カ国とスイス、ノルウェー)平均の21.9%を下回った。不動産バブルの崩壊を伴ったスペインなどに比べ、危機の影響が小さかったことのほか、政府の金融・経済支援策が奏功した。

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昨年はアルカンドール(流通)、キマンダ(半導体)など名だたる大企業が相次いで倒産した。今年は中小企業の倒産が特に増え、全体で3万8,000~4万件に増加する見通し。中小企業では危機の長期化を受け資金力が低下しているうえ、回収できない売掛金も増えている。

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西欧諸国で倒産件数の増加率が最も高かったのはスペインで、93.8%に達した。これにアイルランド(増加率81.1%)、オランダ(同53.4%)、デンマーク(51.0%)が続く。オーストリア(8.5%)、ベルギー(11.3%)、フランス(12.2%)は増加幅が比較的小さかった。

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企業1万社当たりの倒産件数は西欧平均が85社で、ドイツ(96社)はこれをやや上回った。最も多かったのはルクセンブルク(242社)で、以下はオーストリア(235社)、フランス(188社)、デンマーク(183社)の順だった。最も少ないグループにはギリシャ(4社)、スペイン(16社)、イタリア(23社)が入っている。

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西欧の倒産の業界別の内訳はサービス業が37.7%(前年36.5%)で最も多かった。これに商業が30.2%(同32.4%)、建設業が20.9%(21.1%)、製造業が11.2%(10.0%)で続いている。

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中東欧諸国は経済危機の影響が全体として大きく、チェコでは倒産件数が82.5%増の8,394件に急拡大した。スロバキアとバルト3国も増加率が高い。

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