二酸化炭素(CO2)排出権取引を管轄するドイツ排出権取引局(DEHSt)の管理口座から排出権を不正に盗みとるフィッシング詐欺が起きていたことが分かった。欧州企業のほか、日本およびニュージーランドの企業数社も被害を受けた恐れがある。関連当局などへの取材をもとに『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版、FTD)』が2日報じた。
\同紙によると、犯人はDEHStを装って企業に電子メールを送信。ハッカー攻撃を防ぐために新規登録するよう求めて偽のWebサイトに誘導したうえで、だまされた企業が入力したパスワードを利用してDEHStに設置された当該企業の口座から排出権を盗みとり、全世界に売却した。盗みとられた排出権の購入者は正規の排出権を取得したと思っているという。
\被害総額は把握されていない。FTD紙は「ドイツだけでも数十件の取引を検証したところすでに9件確認された」と報じた。ある中堅企業は150万ユーロ相当の排出権をだまし取られたという。
\DEHStはフィッシング詐欺についてホームページで1月28日から注意を促しており、29日には登録システムを停止した。ベルギー、デンマーク、スペイン、ハンガリー、イタリア、ギリシャ、ルーマニア、ブルガリアの排出権管理当局も2日、同様の措置を取っている。DEHStのシステムは10日現在も再開されておらず、現在行われている取引は事後的に登録される。
\ \*DEHStはホームページ上で具体的な注意事項を示すほか、電話や電子メールでの問い合わせも受け付けている。
\ホームページアドレス(英語):http://www.dehst.de/EN/Home/homepage__node.html?__nnn=true
\ホットライン:+49 (0)30-89 03-50 50(月~金曜日の9時~17時)
\電子メールアドレス:emissionstrading@dehst.de.
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