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2010/2/10

企業情報

Bayerische Motorenwerke AG―GM資産整理会社に最後通牒―

この記事の要約

高級車大手の独BMW(ミュンヘン)は昨年倒産した米General Motorsの資産整理会社Motors Liquidation Company(MLC)からトランスミッションの供給を受ける契約を破棄する方向だ。MLCが […]

高級車大手の独BMW(ミュンヘン)は昨年倒産した米General Motorsの資産整理会社Motors Liquidation Company(MLC)からトランスミッションの供給を受ける契約を破棄する方向だ。MLCが開発する製品が最新の技術水準に達しておらず、BMW車に採用しかねると判断しているためで、経営陣はすでに、他社への発注を検討することを決議した。BMWのヘルベルト・ディース取締役(調達担当)が『南ドイツ新聞(SZ)』に対し明らかにした。MLCとの契約を破棄した場合、BMWは10億ユーロ規模の巨額賠償を請求される恐れがある。

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BMWは約20年前からGM子会社Powertrainの仏ストラスブール工場から4段・5段変速機の供給を受けており、2004年にはさらに中型車用の6段自動変速機を年20万基、発注する契約を結んだ。

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だが、開発費も含めると推定10億ユーロ超のこの契約は、GMの経営破たんを受け、BMWの重荷に変わった。GMの再生に向けて行われた同社の事業・ブランドの仕分けで、ストラスブール工場は資産整理対象に振り分けられ、最新技術の開発に必要な資金を得られなくなったためだ。BMWは厳格化された環境規制に対応できるトランスミッションを開発するよう同工場に要請しているにもかかわらず、受け入れを拒否されているという。

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一方、ストラスブール工場はBMWからの受注がなくなると存続できないため、同社が契約破棄に踏み切った場合、MLCは損害賠償を請求する意向。これに対しBMWサイドは、同工場はいずれにせよ閉鎖ないし売却される運命にあり、損賠請求には根拠がないとみているよだ。

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