自動車部品大手の独Mahle（シュツットガルト）は4日、独同業Behrの産業向けエンジニアリング子会社Behr Industry GmbH & Co. KGの資本60％を取得し傘下に収めると発表した。Behrは資金繰りが悪化しており、両社は主力の自動車部品分野でも戦略提携する意向だ。自動車需要の世界的な急減を受け、サプラーヤー企業の財務基盤は弱体化しており、2社の提携は本格的な業界再編の引き金となる可能性もある。
\Behr Industryは様々な産業向けに冷却・空調システムを製造している。従業員数は約900人で、ドイツと米国に事業拠点を持つ。2008年の売上高は2億600万ユーロ。
\Mahleは産業事業分野で大型エンジン部品とフィルター向け部品を製造しており、今回の買収はシナジー効果が大きいとしている。買収後は新事業部門Mahle Industryを設置しBehr Industryをその傘下に入れるほか、Behr Industryの社名をMahle Behr Industryに改める。新設部門の年商は約5億ユーロを見込む。
\取引価格は明らかにされていない。5日付『ハンデルスブラット（HB）』紙によると、1億2,500万ユーロ超で、Behrはこれにより資金繰りが改善するという。
\自動車部品分野の提携ではMahleがBehr本体に資本参加するもようだ。HB紙は出資比率25％の方向で交渉が進められていると報じた。
\Mahleはピストンシステムやシリンダー部品など主に吸排気系部品を生産しており、従業員数は4万5,000人。08年売上高は50億ユーロに上った。Behrはラジエターやカーエアコンを手がける。従業員数は1万7,000人で、08年は33億ユーロを売り上げた。
\自動車部品業界では企業の淘汰が進んでおり、コンサルティング大手Roland Bergerによると、08、09年の2年間で340社が経営破たんした。専門家の間では、倒産の波は今年と来年にピークを迎えるとの見方も強い。
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