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2010/2/17

総合 - ドイツ経済ニュース

連銀当座預金口座、保険会社からの開設請求却下は妥当=行政裁

この記事の要約

独連邦銀行(中央銀行)に当座預金口座の開設請求を断られた保険大手タランクスがこれを不服として起こした係争で、フランクフルト行政裁判所は訴えを退ける判決(訴訟番号:1 K 2319/09.F)を下した。タランクスは判決理由 […]

独連邦銀行(中央銀行)に当座預金口座の開設請求を断られた保険大手タランクスがこれを不服として起こした係争で、フランクフルト行政裁判所は訴えを退ける判決(訴訟番号:1 K 2319/09.F)を下した。タランクスは判決理由書を検討したうえで控訴するかどうかを決定する意向だ。

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同社はリーマンショック直後の2008年10月、連銀に当座預金口座の開設を申請した。取引先の民間銀行が仮に経営破たんすると、顧客への保険金支払い業務などに大きな支障が出るうえ、預け入れた巨額の預金も全額保証されないため同社が連鎖倒産し、金融システムのさらなる不安定化につながると主張。倒産の恐れが100%ない中央銀行での口座開設を認めるよう要求した。

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これに対し連銀は◇銀行以外の民間企業に対し口座開設を認めると通貨の安定性を維持するという中央銀行の義務遂行に支障が出る◇巨額の資金を持つ保険会社が民間銀行から預金を引き揚げ中央銀行に移せば金融危機は一段と悪化する――として受け入れを拒否した。

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フランクフルト行政裁の裁判官は審理のなかで、「企業を倒産リスクから守ることは公的機関の任務ではない」と指摘。また市中銀行間の決済機能が崩壊する恐れが実際に存在するのであれば、銀行以外の民間企業に対し連銀が口座開設を認める義務も生じうるが、タランクスが連銀に口座開設を申請した当時はそのような懸念がなかったとの認識を示した。

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