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2010/2/24

総合 - ドイツ経済ニュース

パイロットスト中断、差し止め訴訟受け交渉再開

この記事の要約

航空大手の独ルフトハンザとパイロット組合VCは22日夜、フランクフルト労働裁判所で開かれた航空スト差し止め訴訟の口頭審理で、労使交渉を再開することで合意した。これに伴い25日までの4日間を予定していたVCのストは22日の […]

航空大手の独ルフトハンザとパイロット組合VCは22日夜、フランクフルト労働裁判所で開かれた航空スト差し止め訴訟の口頭審理で、労使交渉を再開することで合意した。これに伴い25日までの4日間を予定していたVCのストは22日の1日のみで終了。VCはストを3月8日(月)までは実施しないことを確約した。ただ、ストが行われた関係で同社は今後も臨時ダイヤでの運行を継続するため、正常化は26日(金)朝になる予定だ。

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航空大手の独ルフトハンザは22日、パイロット労組VCが同日0時に開始したストライキの仮差し止めをフランクフルト労裁に申請。ストの狙いは賃上げでなく経営への不当な介入にあるとして批判していた。

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ルフトハンザによると、ストが行われた22日は同社が運航する計1,800便のうち約900便が欠航。VCの計画通り4日間、実施されると、同社が被る損失は直接的なものだけで1億ユーロに達する見通しだった。今回のストが予定通り4日間実施されれば、経済への影響も大きく、これを懸念したラムザウアー連邦交通相はスト開始前日に仲裁を行ったが、両者の隔たりは埋まらなかった。

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パイロット組合はルフトハンザが近年相次いで買収した国外子会社と重複する路線の運行を人件費の安い子会社に委ね、ルフトハンザ本体は撤退することを警戒している。これによりルフトハンザ本社の運行本数が減少し、パイロットの解雇につながると懸念しているためだ。そうした事態を回避するため経営陣に対し運行路線を労使が共同で決定することを要求している。

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これに対し経営側は「どの機材をどの路線に投入するかを労組に指図される覚えはない」(ラウアー取締役)と主張。要求に応じない構えを見せていた。

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