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2010/2/24

経済産業情報

刃物・金属食器製造業界、09年は17%の減収に

この記事の要約

ドイツ刃物・金属食器製造業界の2009年売上高は前年比17%減の17億ユーロに落ち込んだ。業界団体の刃物・日用品製造業連盟(IVSH)が15日、フランクフルトで開催された世界最大の消費財見本市Ambiente(12日~1 […]

ドイツ刃物・金属食器製造業界の2009年売上高は前年比17%減の17億ユーロに落ち込んだ。業界団体の刃物・日用品製造業連盟(IVSH)が15日、フランクフルトで開催された世界最大の消費財見本市Ambiente(12日~16日)で発表した。

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業績が最も振るわなかったのはナイフやハサミ、カミソリなど刃物類で、売上高は27%減の8億ユーロに後退した。

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カトラリー(ナイフやフォークなど)も21%減の1億5,300万ユーロと不振で、特に輸出は39%縮小、国内の減少幅13%を大きく上回った。販売先別ではホテルや飲食店向が35%、専門店向けが17%減少した。

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唯一増収となったのは金属製の日用品、キッチン用品およびテーブルウエア用品。0.5%の微増ながら7億3,300万ユーロを確保した。ポイントをためるとブランド品の鍋や食器が割引で買えるというスーパーの販促キャンペーンが奏功し国内売上高が16.7%の大幅増となった。国外売上高は24%減と大幅に縮小している。

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IVSHが加盟企業を対象に実施した今年の業績見通しに関する最新アンケート調査によると、国外事業については75%、国内事業についても45%が「昨年より改善する」との回答を寄せた。ただ、IVSHは「業績は昨年末から好転の兆しを見せているものの回復基調は鈍い」と指摘、今年の業績も低水準にとどまるとの見方を示した。

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国内の刃物・金属食器メーカーはゾーリンゲンを中心に120社以上あり、合わせて約1万500人の従業員を抱える。昨年は景気後退で需要が減ったため、設備稼働率が71%まで低下。現在もほとんどの会社で操短を実施中だ。従業員数が20人に満たない会社も多いことから、市場関係者は「業績低迷が長引くと市場再編が進む」と予想している。

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