セルフサービスを活用する企業がドイツで増えている。25年前からあるガソリンスタンドのセルフサービスに加え、今では切符や商品、サービスを自販機やネットで購入したり、ネットバンキングで送金することが一般的になった。スーパーなど小売店にはセルフレジがあり、空港やホテルのチェックインのセルフサービス化も進んでいる。サービス労組Verdiはセルフサービスの拡大を「被雇用者を犠牲にした合理化」と批判するが、顧客は経済危機で割安なサービスを求めており、セルフサービスは今後さらに普及する見通しだ。『南ドイツ新聞』が2月24日付で報じた。
\セルフサービスを導入すると人件費を抑え、サービスや商品の価格を引き下げる、または据え置くことが可能になる。経済学者が唱える「プロスペクト理論」では、消費者は値下げに好意的に反応する以上に値上げに批判的に反応するとされており、セルフサービスが受け入れられる下地はもともと整っている。そうした傾向は景気後退で強まっており、豪華でゆとりのある高価な旅行を窓口で手配するよりも、ネット上で格安航空チケットやホテルを予約する。セルフサービスには◇待ち時間が少ない◇24時間サービスで営業時間を気にせずにすむ――といったメリットも多く、ニーズは今後も拡大しそうだ。
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