1980年代から中断しているブラジルで3番目の原子力発電所の建設が再開される可能性が高まっている。同国を訪問中の独ヴェスターヴェレ外相に随行した原子力関係者への取材などをもとに『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙が11日、報じた。
\ブラジルは1975年に西ドイツ(当時)と原子力協定を締結、ドイツ製の原発8基を建設することで合意した。同協定に基づいて実際に建設され稼働しているのは現在、アングラ・ドス・レイス原子力発電所にある1基(アングラ2号機)のみ。同発電所では独シーメンス製の3号機の建設も1980年代に始まったが、財政難や安全性の懸念を理由に中断されたままとなっている。
\ヴェスターヴェレ外相はブラジルのホルゲ産業相との会談で、アンゴラ3号機について協議したもようで、随行した独原子力関係者はFAZ紙に対し、「ある原発の建設を先に進める協定が近く調印される可能性がある」との見方を示した。シーメンスと仏アレバの原発合弁会社アレバ・シーメンスによると、「ドイツ政府はアンゴラ3号機に対しヘルメス輸出信用保険10億ユーロを提供する」もようだ。ドイツ政府は2001年以来、原発にヘルメス貿易保険を適用しない方針をとってきたが、昨年秋に成立した中道右派政権はこの方針を転換する意向を示している。
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