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2010/3/17

経済産業情報

独食品メーカー、イスラム市場に参入

この記事の要約

ドイツの食品メーカーが国内イスラム市場への参入を開始した。イスラム教徒向けに豚肉や血、アルコールの入っていないハラール(イスラム法で許された)食品を提供する「エスノ・マーケティング」はフランスや英国、オランダと異なりまだ […]

ドイツの食品メーカーが国内イスラム市場への参入を開始した。イスラム教徒向けに豚肉や血、アルコールの入っていないハラール(イスラム法で許された)食品を提供する「エスノ・マーケティング」はフランスや英国、オランダと異なりまだ普及していないものの、国内にはトルコ人を中心に400万人のイスラム教徒がいるうえ、移民家族は出生率が高いため、将来的には市場の大幅な成長が期待できるという。『ハンデルスブラット』紙が10日付で報じた。

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ドイツの食品メーカーは通常、トルコ系またはアラブ系の卸業者を通じて、自社のハラール食品を販売する。イスラム教徒の大半が近所の小規模食品店で買い物するためだ。

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グミキャンディで有名な独Hariboはイスラム市場の開拓に向け、エスノ・マーケティングを手がけるサービス会社EthnoIQと2年前に提携、トルコ語のインターネットサイトやテレビ、新聞で自社製品の宣伝を開始した。同社のハラールグミは豚のゼラチンの代わりに牛のゼラチンを使用している。価格は通常のグミより30%高いが、売れ行きは予想以上という。

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乳製品メーカーのRueckerは現在、年1,300トンのハラールチーズを販売している。同社のチーズ販売全体の4%に満たないが、今後は種類などを増やすため投資を拡大する計画だ。ハラールチーズには動物の凝乳酵素の代わりに人工の酵素を使用。アルコール入り洗浄剤を使用した後は水で洗い流すなど製造過程でも細心の注意を払い、国内に15ある検査機関の1つからハラール食品の認定を受けている。また、トルコ語での宣伝活動に加え、トルコ語を話す営業マンを投入し、トルコ系卸業者との関係強化にも努めている。

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市場関係者によると、独菓子大手のBahlsenも近くハラールクッキーを発売する予定で、現在準備を進めているもようだ。

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