製薬大手の独Merck(ダルムシュタット)は23日、がん治療ワクチン「Stimuvax」の臨床試験をすべて中断すると発表した。多発性骨髄腫(MM)を対象とした第2相段階の臨床試験で患者の1人が脳炎を発症したためで、原因が究明されるまで凍結する。同社製品ではがん治療薬「Erbitux」と多発性硬化症治療薬「Cladribine」に対し昨年、薬効に疑問を投げかける研究結果が出されたばかりで、今回の治験中断は新たな痛手となる。
\Stimuvaxの臨床試験は非小細胞肺がん(NSCLC)や乳がんなどMM以外の3つの分野でも行われており、3分野すべてで第3相段階に達していた。Merckはこれらの治験も棚上げにした。
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