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2010/3/24

経済産業情報

1ユーロショップ、ドイツで増加

この記事の要約

日本の100円ショップに似た1ユーロショップがドイツでも数年前から増加している。景気後退による収入減少を背景に、超格安製品のニーズが失業者や年金生活者、主婦を中心に高まっているためだ。企業コンサルティングのBBEは、小都 […]

日本の100円ショップに似た1ユーロショップがドイツでも数年前から増加している。景気後退による収入減少を背景に、超格安製品のニーズが失業者や年金生活者、主婦を中心に高まっているためだ。企業コンサルティングのBBEは、小都市では出店の余地が大きく、店舗数は今後も増加すると予想している。16日付『ハンデルスブラット』紙が報じた。

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1ユーロショップの国内最大手はスーパー大手テンゲルスマンの子会社Tedi。9,000店舗以上を展開し、従業員5,000人を抱える。2008年の売上高は1億8,600万ユーロで前年から28%拡大した。94年設立の同族会社MaecGeizの店舗数は約300店で、5年前から倍増。年商は1億ユーロを超えた。

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同じく同族経営のSchum Euroshopは120店を運営。1887年創業の鉄製品販売業を20年かけてノンフードディスカウント向けの下請け会社に改造し、数年前に1ユーロショップの経営に乗り出した。08年の売上高は前年比36%増の1億660万ユーロだった。

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1ユーロショップの経営者は、同ショップを節約好きの消費者のデパートにしたいと意気込んでいる。だが、「1ユーロショップ=がらくた販売」と考える中流層は多く、客層に取り込むのは容易ではない。1ユーロショップの売上高は最大手3社を合わせても約4億ユーロで、大手デパートのカウフホーフの売上高(08年:35億ユーロ)の足元にも及ばない。BEEのアナリストは「がらくたのイメージを払しょくできない限り1ユーロショップがデパートと競合するのは難しい」と指摘している。

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