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2010/3/31

企業情報

Celesio AG―薬局事業で減損処理2.7億ユーロ―

この記事の要約

医薬品卸売・小売大手の独Celesio(シュツットガルト)が23日発表した2009年12月通期決算の税引き後損益は200万ユーロの黒字だった。1,900万ユーロの赤字となった前年からは好転したものの、薬局事業で計2億7, […]

医薬品卸売・小売大手の独Celesio(シュツットガルト)が23日発表した2009年12月通期決算の税引き後損益は200万ユーロの黒字だった。1,900万ユーロの赤字となった前年からは好転したものの、薬局事業で計2億7,400万ユーロの減損処理を行ったため、損益改善幅は大幅に圧縮された格好。売上高は1.6%増の214億9,720万ユーロ、営業利益(EBITDAベース)は4.5%減の6億2,760万ユーロだった。

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減損処理の背景には薬局を取り巻く環境が厳しくなっていることがある。欧州各国は医療費抑制に向け医薬品メーカーのほか、薬局にも負担を要求するようになっており、同社はこうした流れを受けオランダ、アイルランド、イタリアの薬局で減損処理を行った。

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Celesioは07年に1億8,000万ユーロで買収したネット薬局DocMorrisについても7,000万ユーロ強の減損処理を施した。ドイツ国内で展開するフランチャイズチェーンで加盟店が伸び悩んでいるためだ。加盟店は現在154店にとどまり、同社は2011年までに500店以上に拡大するとした目標の達成時期を2015年に先延ばしした。

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こうした現状を受け、経営陣は薬局の買収を当面、手控えるほか、傘下の薬局についても整理する可能性を表明した。ただ、進出先の国から全面撤退することはないとしている。DocMorrisについてはドイツ以外の国にチェーンを広げていく考えで、今年はスウェーデンとアイルランドで事業を開始する。イタリア進出も計画中だ。

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