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2010/3/31

企業情報

Bayer Medical Care―血糖値測定器で世界2位目指す―

この記事の要約

独Bayerの血糖値測定器・造影剤注入システム子会社Bayer Medical Care(米タリータウン)が血糖値測定器事業を大幅に強化する。競合企業よりも毎年2ポイント以上高い成長率を確保し、市場シェアで現在の世界3位 […]

独Bayerの血糖値測定器・造影剤注入システム子会社Bayer Medical Care(米タリータウン)が血糖値測定器事業を大幅に強化する。競合企業よりも毎年2ポイント以上高い成長率を確保し、市場シェアで現在の世界3位から2位に浮上する目標だ。同社のサンドラ・ペーターソン社長が経済紙『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版、FTD)』に対し明らかにした。

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Bayerはかつて血糖値測定器市場で40%強のシェアを持っていた。だが、中国、インド、ロシアなど新興市場への進出の出遅れのほか、画期的な新製品がなかったことが影響。2005年には同11%にまで後退した。07年にヒット商品「Contour」「Breeze」を投入した効果で現在は17%まで回復している。市場調査大手Frost & SullivanのアナリストはFTD紙に対し、2位の米Johnson & Johnsonを追い抜くのは現実的な目標だとの見方を示した。市場1位はスイスのRoche。

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Bayer Medical Careはシェアのさらなる拡大に向け任天堂と共同開発した小児糖尿病患者向けの新製品「Digdet」を市場投入する計画で、米国では5月、ドイツでも第3四半期の発売を予定している。同製品はゲーム機と接続して利用できるのが特徴で、子供の患者が自発的に定期測定するような工夫が施されている。英国で行った実用試験の成果は良好だったという。Bayer Medical Careはこの手の技術開発分野で今後、提携を増やすとともに、買収の機会もうかがう意向だ。

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同社は患者と医師間のデータのやりとりを簡素化する技術も重視しており、昨年はUSBでパソコンへの接続が可能な新製品「Contour USB」を発売した。これにより患者は測定データを電子メールで医師に手軽に送信できるようになった。Bayerは在宅医療システム分野ではパナソニックと合弁会社を運営している。

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