ドイツの鉄道設備業界団体VDBが13日に発表した加盟企業(約130社)の2009年総売上高は前年比5.1%増の104億ユーロに拡大し、初めて100億ユーロを超えた。売り上げに占める輸出の割合は57%だった。一方、新規受注高は19.5%減の103億ユーロに落ち込んでおり、VDBのバウアー会長はドイツ政府の景気対策の効果が同業界に波及しなかったと不満を表明。ドイツの鉄道インフラへの投資は他国に比べ低調だとして、今年も中国やインド、米国、南米向けの輸出に期待すると言明した。
\部門別でみると、主力の鉄道車両(機関車や被けん引車両、部品)は売上高が8.1%増の81億ユーロに拡大した。ただ、景気後退で鉄道輸送が縮小したことが響き、新規受注は26.7%減と大きく落ち込んでいる。
\インフラ設備部門の売上は4%減の24億ユーロ。国内事業が12%減と振るわなかった。受注は国内が前年並み、国外が微増だった。
\ドイツの国内総生産(GDP)に占める鉄道インフラ投資額の割合は1.5パーミル(08年)で、主要国の中ではトルコの0.2パーミルに次いで2番目に低かった。近隣諸国ではスイスが6.5パーミル、オーストリアが6.0パーミル、英国が4.6パーミルとドイツに比べ大幅に高い。アジアでは中国が12.5パーミル、インドも4.7パーミルに上っている。
\VDBは、国内の鉄道インフラには年10億ユーロ、中期的には年50億ユーロの投資が必要だと指摘。現在の投資水準では年6~9億足りないとして、慢性的な投資不足を批判した。
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