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2010/4/28

経済産業情報

移民系初の女性閣僚、就任前にバッシングの洗礼

この記事の要約

ニーダーザクセン州の内閣改造に伴い27日に新しい社会・女性・家族・保健・移民統合大臣に任命された女性が大きな注目を集めている。自らが属する与党・キリスト教民主同盟(CDU)のタブーに触れる発言を就任直前の雑誌インタビュー […]

ニーダーザクセン州の内閣改造に伴い27日に新しい社会・女性・家族・保健・移民統合大臣に任命された女性が大きな注目を集めている。自らが属する与党・キリスト教民主同盟(CDU)のタブーに触れる発言を就任直前の雑誌インタビューでしてしまったのである。

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この新大臣はトルコ系の両親を持つドイツ生まれのアイギュル・エツカンさん(39歳)。イスラム教徒であるうえ、連邦・州を含め移民系の女性として初めて大臣になったことから、就任前からメディアの注目度が高かった。

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問題のインタビューは週刊誌『フォーカス』(オンライン版)が行ったもので、24日に公開。彼女はそのなかで、「学校は(宗教的に)中立の場であるべきだ」と発言した。政教分離を前提とする近代国家では当たり前の主張だが、ドイツではキリスト教の影が公的な場面でしばしば見え隠れする。例えばニーダーザクセン州憲法の前文には「ニーダーザクセン州の人民は神と人間への責任を意識しこの憲法を州議会により制定させる」と明記されているのだ。

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こうした事情を反映し、教室には十字架が設置されている。エツカンさんはこれを適切でないと考えたのだろう。こうした措置を止めるべきだと主張した。イスラム教の女性が被るスカーフについても学校での着用は禁止すべきだと明言した。

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だが、十字架撤去発言はキリスト教的な価値観を党是とするCDUの政治家の逆鱗に触れた。インタビューが公表されると、党内から批判が噴出、彼女は就任前日の26日、党の会合で謝罪を余儀なくされた。ヴルフ州首相はエツカンさんの今後の仕事に期待感を表明しながらも「われわれは生徒をキリスト教的な価値観に基づいて教育したい」と言い切った。

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