ドイツの風力発電設備業界は今後数年、大幅な業績拡大を見込んでいる。独風力発電連盟(BWE)によると、風力発電市場は経済危機の09年も順調に成長を続け、世界全体の新規設置能力は前年比42%増の3万8,343メガワット(MW)に拡大。ドイツ国内でも昨年1月に風力電力の買い取り価格(助成額)が引き上げられたことが奏功し、同15%増の1,917MWに達した。世界市場は中国や北米を中心に今後も大幅に成長する見通しで、売り上げの8割を輸出で稼ぐ独風力発電設備業界には追い風となる。
\ドイツの09年末時点の累積設置能力は2万5,777MWで世界3位。2万5,805MWとなった中国に世界2位の座を僅差で明け渡した。中国の昨年の新規設置能力は1万3,803MWで、前年の6,300MWから2倍以上拡大している。累積設置能力のトップは米国で3万5,159MW。新規設置能力は9,996MWだった。
\BWEによると、今後、大幅な成長が期待できるのは、風力発電の導入が遅れている中東欧や南米市場。ドイツ国内では累積設置能力が500MW前後にとどまる南部の州(バイエルン州、バーデン・ヴュルテンベルク州、ヘッセン州)が注目市場という。
\ドイツの風力発電設備メーカーの世界シェアは約25%。国内では昨年新設された風力タービンの6割が独Enercon社製だった。
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