エネルギー大手の独Eon(デュッセルドルフ)は4月28日、米国子会社Eon USの電力・ガス事業を米同業PPLに76億ドル(約58億ユーロ)売却すると発表した。Eonは債務の圧縮に向け年内に計100億ユーロの事業の売却方針で、このうちすでに60億ユーロを実現している。今回の取引が当局の承認を経て成立すると目標を達成する。
\Eon USはケンタッキー州ルイビルに本社があり、顧客数は電力が92万7,000人、天然ガスが31万4,000人。直近の売上高は19億ユーロに上った。
\もともとの社名はLouisville Gas and Electric Company(LG&E)で、Eonは2002年、英同業Powergenの買収に伴い傘下に収めた。当時は米国の天然ガス・電力事業を強化する方針を打ち出していたが、その後、足元の欧州事業を重点強化する方針に転じたため、Eon USは中核事業から外れていた。将来性の極めて高い米国の再生可能エネルギー事業は手元に残し、強化していく方針だ。
\Eonはイタリアに持つ送電網の売却も検討したが、取引価格などの面で投資家と折り合いがつかなかったため、4月21日に取り止めを表明した。
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