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2010/5/19

経済産業情報

航空・旅行業界、アイスランドの火山噴火で業績悪化

この記事の要約

アイスランドの火山噴火の影響で、欧州の航空・旅行会社の業績が悪化しそうだ。4月半ばの噴火で欧州の大半の空港が約5日間、閉鎖されたうえ、5月に入ってからの再噴火で11日には観光地のカナリア諸島やモロッコの上空が航空制限区域 […]

アイスランドの火山噴火の影響で、欧州の航空・旅行会社の業績が悪化しそうだ。4月半ばの噴火で欧州の大半の空港が約5日間、閉鎖されたうえ、5月に入ってからの再噴火で11日には観光地のカナリア諸島やモロッコの上空が航空制限区域に入った。国際航空運送協会(IATA)は4月時点で、航空業界が被った損害は少なくとも17億ドル(13億ユーロ)に達したと試算。再噴火で損害はさらに拡大すると予想される。

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独旅行・航空大手Tuiの英旅行子会社Tui Travelはこのほど、2010年9月通期決算の営業利益が火山の影響で前年度より20%、金額にして9,000万ポンド(1億400万ユーロ)減少するとの見通しを発表。格安航空会社の英Easyjetも、火山灰による欠航の損失は5,000万~7,500万ポンド(5,800万~8,700万ユーロ)に上るとして、9月通期の税引き前利益を当初予想の1億7,500万~2億ポンドから1億~1億5,000万ポンドに下方修正した。フランクフルト国際空港を運営するFraportは、飛行制限による最終的な損失額は営業利益で(EBIT)で約2,000万ユーロになると見込んでいる。

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一方、独航空最大手ルフトハンザでは4月の旅客者数が前年同月比で16.2%減少したものの、その後は持ち直しているうえ、貨物輸送が好調なこともあり、噴火の影響で通期業績が悪化するかは現時点では不明だ。

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