流通大手の独Metroが中国事業の強化に乗り出した。業者向けチェーンMetro Cash & Carryの店舗数を今年6カ所増の50カ所とするほか、家電量販チェーンMedia Marktの同国第1号店も10月に上海にオープン。急成長が続く現地市場の開拓を加速する。
\Metroは2012年までに約2億ドルを投じてMedia Marktを中国に10カ所、開設する。これら店舗で事業が好調に推移すれば2015年までに計100店舗を展開する意向だ。現地事業にはMetroが75％を出資し、残り25％は台湾の電子機器受託生産（EMS）Foxconnが引き受ける。
\中国の家電小売市場は寡占化が進んでおらず、主な企業のシェアは最大手の国美電器（GOME Electrical Appliances）で7％、2位の蘇寧電器（SUNING）で5％にとどまる。家電需要の急増が今後も続くと予想されるため、新参のMedia Marktにとっても事業拡大のチャンスは大きい。
\Metro Cash & Carryは1996年に中国進出を果たした。その後11年間は赤字が続いたものの、2年前から特別費を除いたベースで黒字を計上するようになったという。フランス・ミュラー取締役（アジア事業担当）は、当初は同国の消費者のニーズが地域によって大きく異なることや、物流上の問題を軽視していたため、事業がうまく行かなかったと事情を説明している。こうした反省を踏まえ、今後は経済成長の活発な3つの地域に進出先を絞り込む意向だ。
\Metro Cash & Carryでは中国の消費者が食品の安全性に敏感になっていることを踏まえ、取扱商品の情報を生産元まで遡って買い物客に提供するサービスを実施している。対象となる商品の数は現在1,000種類。中期的には全商品（1万3,000種類）に拡大するとしている。
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