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2010/6/2

企業情報

Q-Cells SE―モジュール市場に低価格で本格参入―

この記事の要約

太陽光発電セル大手の独Q-Cells(ビターフェルト・ヴォルフェン)がモジュール市場に本格参入する。SolarworldやConergyなど独モジュールメーカーよりも低価格で販売。同市場で欧州最強となることを目指す。3月 […]

太陽光発電セル大手の独Q-Cells(ビターフェルト・ヴォルフェン)がモジュール市場に本格参入する。SolarworldやConergyなど独モジュールメーカーよりも低価格で販売。同市場で欧州最強となることを目指す。3月に就任したネディム・ツェン社長が5月26日発行『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版、FTD)』のインタビュー記事で明らかにした。

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ツェン社長によると、Q-Cellsは太陽光発電モジュールをマレーシアのEMS(電子機器受託生産サービス)メーカーに生産させてコストを圧縮。中国メーカーや欧州のノーブランドメーカーに比べると価格は高くなるものの、独競合よりは低くすることに成功した。同社はミュンヘンで近く開催される業界見本市Intersolar(6月9~11日)にモジュールを初出展し、速やかに販売を開始する意向だ。

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同社のモジュール生産量はこれまで少なく、販売先も一部の流通業者やViessmann(暖房機器大手)などの大口顧客に限られていた。今後は積極的に販売活動を開始し、卸売業者を通さず最終顧客に直接、売り込んでいく。

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Q-Cellsは太陽光発電セルの世界最大手メーカーだったが、中国メーカーなどが同品質の製品を低価格で販売するようになったことで、業績が急速に悪化。セル生産を独本国からマレーシアの新工場に移管したほか、新たな収益源を求めてソーラーパーク事業の強化にも乗り出した。ツェン社長は「(欧州の)競合企業と異なりわれわれは宿題をすでに終えた」と述べ、今後も続く見通しの激しい価格競争を耐え抜くことに自信を示した。売り上げに占めるセル事業の割合は3分の1以下に引き下げる意向だ。

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