通販大手の独Otto(ハンブルク)が食料品のインターネット販売事業への参入を検討している。同社のハンスオットー・シュラーダー社長が食品業界専門紙『Lebensmittel-Zeitung』に対し明らかにした。現在、全国的に事業展開する食品スーパーを提携先として模索しているという。
\ドイツの食品ネット通販市場は規模が小さく、ネット通販全体(2009年:200億ユーロ)に占めるシェアは1.5%にとどまる。事業を手がけるのもエスニックフーズや有機食品など特定の分野に特化するか、狭い地域に供給範囲を限定する業者が大部分だ。食品スーパー大手のエデカは全国的にサービスを展開しているものの、肉や果物などの生鮮食料品は取り扱っていない。
\Ottoは10年前に食料品のネット通販に参入したが、このときは利益が上がらず3年で撤退した。再参入に前向きになったのはネット市場がこの間に幅広く普及したため。前回の失敗で在庫を地域別に保管することの重要性を学んだことも大きいという。英スーパー大手のTescoは食料品のオンライン販売で成功を収めており、OttoはTescoの取り組みを参考にする意向だ。価格の手ごろさや注文から配達までの時間、冷蔵・冷凍宅配などが成功のカギを握るとみている。
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