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2010/7/7

経済産業情報

独港湾の貨物取扱量が回復へ

この記事の要約

ドイツの港湾業界で景気回復が鮮明になってきた。自動車の輸出好調のほか、昨年末から続くアジア製品などの輸入の増加がけん引車となり、貨物取扱量がここ数カ月大きく伸びているのだ。独港湾運営事業者中央連合(ZDS)のデットホルト […]

ドイツの港湾業界で景気回復が鮮明になってきた。自動車の輸出好調のほか、昨年末から続くアジア製品などの輸入の増加がけん引車となり、貨物取扱量がここ数カ月大きく伸びているのだ。独港湾運営事業者中央連合(ZDS)のデットホルト・アーデン会長(BLG Logistics社長)が『南ドイツ新聞』(SZ)に対して明らかにした。

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同会長は「上半期中は回復が一時的なものか判断できなかったが、今でははっきりと回復基調にあると言える」と述べ、景気は底を打ったとの見解を示した。ただ、現在の回復ペースが来年まで続くかは不明だとも発言。過剰な期待を戒めた。貨物取扱量が金融・経済危機以前の水準まで回復する時期については2012年を見込む。

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アーデン氏が経営する自動車輸送の欧州最大手BLG Logistics(ブレーマーハーフェン)の2009年の自動車積み替え台数はグループ全体で450万台となり、前年の540万台から後退した。主力のブレーマーハーフェン港での積み替え件数は08年の220万台から09年には120万台にほぼ半減、取扱車両に占める輸入の割合は50%から14%に落ち込んだ。

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輸入減の理由の1つには、トヨタや起亜、現代自などのアジアメーカーが東欧生産を強化した結果、西欧向けの海運輸送の割合が減っていることがある。BLGはこれを受け、欧州内の内陸輸送事業を強化。2013年には自動車輸送列車の本数を1日75本に拡大するほか、東欧と西欧を結ぶ河川輸送網も充実させる計画だ。

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