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2010/7/14

企業情報

川崎重工業―独でセメント排熱発電設備を受注―

この記事の要約

川崎重工グループのカワサキプラントシステムズは9日、独ローアドルファー建材グループ(Rohrdorfer Baustoffgruppe)傘下の南バイエルン・ポルトランドセメント社(Suedbayerisches Port […]

川崎重工グループのカワサキプラントシステムズは9日、独ローアドルファー建材グループ(Rohrdorfer Baustoffgruppe)傘下の南バイエルン・ポルトランドセメント社(Suedbayerisches Portland-Zementwerk Gebr. Wiesböck & Co. GmbH)のローアドルフ工場向けに、本格的な設備としては欧州初のセメント排熱発電設備を受注したと発表した。発電出力は約6,800キロワット(kW)で、2012年春の稼動開始を予定している。

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同プロジェクトはドイツの重電大手Siemensと共同受注したもので、カワサキプラントシステムズはプラント全体のエンジニアリング、排熱回収ボイラーの供給、客先供給機器の基本設計および工事・試運転の技術指導を担当。Siemensはカワサキプラントシステムズのエンジニアリングに基づき、蒸気タービン、発電機、電気品および制御装置の供給を引き受ける。

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今回受注したセメント排熱発電設備は、セメント製造の焼成工程において発生する排ガスの熱を排熱回収ボイラーで回収し、蒸気タービンにより発電を行う設備で、セメントプラントの排ガスを有効活用し、プラント全体の電力消費量の約30%を賄うことができる。二酸化炭素(CO2)削減効果も年約4万トンと大きく、日本国内の大型セメントプラントの多くで採用されている。

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ドイツをはじめとする欧州では、欧州連合(EU)の環境規制強化などにより省エネ・環境製品に対する関心が強く、セメント排熱発電設備は需要拡大が見込まれている。今回のプロジェクトはドイツ環境省の環境改善技術プログラムから助成を受けて実施される。

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