愛煙家がゆっくりくつろげる場所は着実に減っているようだ。バイエルン州で居酒屋における喫煙が8月から全面禁止されることが4日決まり、そうした感慨がおのずと湧いてきた。そこで今回は職場での喫煙をめぐる裁判を1つ取り上げてみたい。
\この裁判は非喫煙者を保護するためにケルン市が導入した措置を不服として職員1人が起こしたもので、具体的には勤務時間中の喫煙禁止の撤回と、喫煙ルームの設置を要求していた。
\これに対し第1審のケルン行政裁判所は2008年2月、原告の訴えを棄却。第2審のミュンスター高等行政裁判所も2010年4月、1審判決を全面的に支持した。
\裁判の争点に即してみていこう。まずは、勤務時間中の喫煙禁止についてだが、裁判官は仕事中にコーヒーを飲んだり、トイレに行ったりすることと喫煙は同等に扱えないとの判断を示した。また、喫煙室の設置をコストを理由に市当局が拒んだことに関しては、裁量の範囲内だと言い渡した。
\裁判官はそのうえで、正規の休憩時間中に屋外でたばこを吸うことまでは禁止されていないと指摘。時間と場所を選べば、自由に喫煙できると原告を諭した。
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