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2010/7/14

経済産業情報

フィッシングへの不安が急増、ネットバンキングの取り止めを2割が検討

この記事の要約

ドイツのネットユーザーの間で、フィッシング詐欺への不安が増大している。情報技術推進団体Initiative D21と農業・商業系信用協同組合のIT業務を担当するFiduciaが実施したオンラインバンキングと安全性に関する […]

ドイツのネットユーザーの間で、フィッシング詐欺への不安が増大している。情報技術推進団体Initiative D21と農業・商業系信用協同組合のIT業務を担当するFiduciaが実施したオンラインバンキングと安全性に関するアンケート調査によると、ネットユーザーの82.7%がオンラインバンキングを利用していると回答。このうち20.2%がフィッシング詐欺の被害に遭うことを恐れ、オンラインバンキングを止めたいと考えていることが分かった。昨年のアンケートでは同比率が4.3%にとどまっていた。

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独情報通信業界連盟(Bitkom)によると、国内のフィッシング詐欺の被害件数は2008年に前年から54%減少したものの、09年には再び53%増えて2,859件に上ったという。

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今回の調査では、ユーザーの大半が「オンラインバンキングの安全性は銀行が維持するべきもの」と考えており、フィッシング詐欺への不安が増大しても安全対策コストを負担する意思がないことも分かった。64.3%がオンラインバンキングの手数料を「払うつもりはない」と回答している。個人の安全対策としては81.4%が「PCにセキュリティプログラムをインストールする」、70.6%が「定期的に口座残高をチェックする」と回答するなど、消極的な姿勢が目立つ。

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スマートフォンの普及などでオンラインバンクの利便性はますます向上しており、利用者は今後さらに増加すると予想される。銀行はmobile-TAN(携帯端末用第2暗証番号)の導入などを進めてセキュリティを強化し、利用者の信頼に応えることを求められているようだ。

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