ドイツ国内の太陽光発電ブームが将来、電力の供給不足を引き起こす恐れがある。天候不順の際に太陽光発電をバックアップするガス火力発電所の建設が進んでいないためだ。アレニウス・エネルギー・気候政策研究所は「太陽光発電とガス発電はコインの両面」と指摘、再生可能エネルギー偏重のエネルギー政策を見直すよう求めている。『ハンデルスブラット』紙が26日報じた。
\太陽光発電の今年の新規発電能力は昨年の3,800メガワット(MW)を大きく上回り、9,000MWに達する見通し。今後もこのペースで拡大すると、日照時間が少ない時の電力不足を補う火力発電所の役割はますます大きくなる。特にわずか数秒で運転を停止、再開できるガス発電所は太陽光発電を補ううえでカギを握る。
\ただ、政府の手厚い助成を受けている太陽光発電に比べると、ガス発電事業の採算は低い。太陽光発電が拡大するほど、日照時のガス発電所の稼働率は低下し収益は低下。また、太陽光発電の発電量に合わせて頻繁に運転を停止、再開すれば、設備の耐久力が低下し、修理やメンテナンスのコストが増大するためだ。
\こうした事情を受けガス発電所の建設計画を見直す電力会社もあり、アレニウス研究所は「電力の安定供給を将来、維持できなくなる恐れがある」と懸念している。同研究所によると、太陽光発電能力の増加幅は最大でも年3,000MWが適正という。
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