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2011/5/18

総合 - ドイツ経済ニュース

「航空機の衝突に耐える原発なし」=原子炉安全委

この記事の要約

福島原発事故を受けて独国内の原発17基の安全性を新たな基準で調査してきた原子炉安全委員会(RSK)の報告書が17日公表された。大きな焦点となっていた航空機の衝突への耐性では備えが十分な施設は1つもなく、安全性の不備が確認 […]

福島原発事故を受けて独国内の原発17基の安全性を新たな基準で調査してきた原子炉安全委員会(RSK)の報告書が17日公表された。大きな焦点となっていた航空機の衝突への耐性では備えが十分な施設は1つもなく、安全性の不備が確認された格好となった。ドイツ政府は今回の報告書を参考に各原発に割り当てる残存発電量を再検討。6月6日の閣議で承認する原子力法改正案に盛り込む予定だ。

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ノルベルト・レットゲン環境相とともに記者会見に臨んだRSKのルドルフ・ヴィーラント委員長は、非常用発電機や緊急冷却システムなどトラブルが起きた際の安全システムでは福島原発のような欠陥が見つからなかったと述べ、ドイツの原発は相対的に安全性が高いとの認識を示した。

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ただ、大型航空機の墜落に耐え得る原発は1つもなく、ビブリスA・B、ブルンスビュッテル、フィリップスブルクⅠの4原発については小型航空機の墜落にも対応できないことが分かった。これら4原発を含む旧式原発7基は現在、稼働を停止しておりそのまま廃炉となる可能性が高い。

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