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2011/6/1

経済産業情報

独バイオ業界11年は成長鈍化、GM作物の栽培禁止地域導入に懸念

この記事の要約

独バイオテクノロジー工業連盟(DIB)は5月25日の年次総会で、2010年の業界売上高が前年比9%増の24億ユーロに拡大したと発表した。今年も安定成長が続くものの、原料価格の高騰や、昨年導入された特許薬強制割引制度などが […]

独バイオテクノロジー工業連盟(DIB)は5月25日の年次総会で、2010年の業界売上高が前年比9%増の24億ユーロに拡大したと発表した。今年も安定成長が続くものの、原料価格の高騰や、昨年導入された特許薬強制割引制度などが響き、伸び率は鈍化する見通しという。

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DIBが会員企業約200社を対象に実施したアンケート調査によると、2011年に増収を見込むとの回答は6割を超え、「減少する」を大きく上回った。「前年並み」は約3割。

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研究開発費については4割以上が「前年より増額する計画」と回答。「減額」は16%にとどまった。事業投資に関する質問では「前年並み」が45%、「事業内容/規模を拡大する」が約30%だった。

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雇用に関しては、今年上半期に従業員の増減がない企業が2社に1社、増員が3社に1社で、縮小は5社に1社にとどまった。技術スタッフや研究者など専門職の人材確保については、半数以上が「特に問題はない」と回答。「必要な人数が確保できない」は5社に1社だった。

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DIBは総会で、バーデン・ヴュルテンベルク州やラインラント・プファルツ州政府、欧州連合(EU)の欧州委員会が遺伝子組み換え(GM)作物の栽培禁止地域を導入する方針を示していることに懸念を表明。マルツィノフスキ会長は「どんな作物をどう栽培するかを生産者が自ら判断できることが望ましい。政治・イデオロギー的な理由でGM作物を一律に排除することは、技術革新を経済の生命線とする国にとって大きな誤りだ」と批判した。

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